下地補修の一般的な工法
ひび割れ部 ■シール擦り込み工法 0.3mm未満
■エポキシ樹脂注入工法 0.3mm以上~1.0mm未満
■Uカットシール充填工法 1.0mm以上
モルタル浮き部 ■エポキシ樹脂注入工法
爆裂・欠損部 ■モルタル充填工法
■シール擦り込み工法 (クラック幅 0.3mm未満)
0.3mm以下のクラック幅の場合には注入が出来ない為、直接弾力性の有るシール材などを擦り込んで押えます。
■エポキシ樹脂低圧注入工法 (クラック幅 0.3mm以上 1.0mm未満)
幅0.3mm以上のクラックに対して行う工法で、クラック周囲が粗面であればケレンなど清掃し、注入器具を現状に応じたピッチで取付け、注入器具間のひび割れをシール材等で被覆し、無機系又はエポキシ樹脂を注入器具より注入し、クラック内部まで充填する工法です。
■Uカットシール充填工法 (クラック幅 1.0mm以上)
躯体に生じたひび割れには、大きく分けて、 コンクリート自体の収縮により生じたものと、 建物の構造上の理由から生じたものとがあります。 前者の場合、挙動(割れが広がったり縮 まったりしようとする動き)の無いものが多く、割れ内部に セメント材等を充填して修復を 行います。
それに対して後者の場合、挙動があり、今後も割れが大き くなる可能性があるため、 Uカットシーリング工法を多く用います。この工法では、割れ部分に溝を 作ってシーリング材 を充填することで、割れが広がろうとする動きにシーリング材がついていきます。
■エポキシ樹脂ピン注入工法 (床面モルタル浮き)
浮き部に対しその隙間にエポキシ樹脂を注入し且つアステンレス製のピンを併用して浮き面積の拡大を阻止すると共に、大面積の剥落を防止する工法で、一般的には16本/㎡で指定部分では25本/㎡とし、狭幅部では幅中央に200ピッチとなっています。開放廊下やバルコニーの床面は落下などの危険性は余り無い為、一般的にはピンなしの工法が主流です。
■モルタル充填工法 (鉄筋爆裂叉は欠損)
コンクリートは元来アルカリ性ですが、風雨にさらされ年月を経た結果、次第に表面から中性に 変わってゆきます。そうするとコンクリートは強度を失い、脆くなるとともに、 内部の鉄筋も 腐食しやすくなります。 内部で腐食した鉄筋が膨張し、周辺のコンクリートを押し上げ た状態 を鉄筋爆裂と呼びます。
コンクリートが押し出されてひび割れ、そこからさらに雨水が侵入して、 鉄筋の腐食がさらに進行するという形になり、放置すればするほど、劣化が進行します。こうし た箇所の補修は、まず脆弱化したコンクリート・鉄筋の錆を除去し、鉄筋に防錆材を塗付した上で、 樹脂モルタルによる埋め戻しを行います。