下地補修の一般的な工法  

 

ひび割れ部    ■シール擦り込み工法    0.3mm未満

         ■エポキシ樹脂注入工法   0.3mm以上~1.0mm未満

         ■Uカットシール充填工法   1.0mm以上

 

モルタル浮き部  ■エポキシ樹脂注入工法

 

爆裂・欠損部   ■モルタル充填工法 

■シール擦り込み工法 (クラック幅 0.3mm未満)

 

0.3mm以下のクラック幅の場合には注入が出来ない為、直接弾力性の有るシール材などを擦り込んで押えます。

 

清掃 : ダスターなどで埃などを除去する
清掃 : ダスターなどで埃などを除去する


 

微弾性フィーラー擦り込み : 微弾性フィーラーやかとう性エポキシ樹脂をひび割れに沿って充填。
微弾性フィーラー擦り込み : 微弾性フィーラーやかとう性エポキシ樹脂をひび割れに沿って充填。
擦り込み完了
擦り込み完了

■エポキシ樹脂低圧注入工法 (クラック幅 0.3mm以上 1.0mm未満)

 

0.3mm以上のクラックに対して行う工法で、クラック周囲が粗面であればケレンなど清掃し、注入器具を現状に応じたピッチで取付け、注入器具間のひび割れをシール材等で被覆し、無機系又はエポキシ樹脂を注入器具より注入し、クラック内部まで充填する工法です。

 

施工前 : クラックを確認してマーキングを行う
施工前 : クラックを確認してマーキングを行う
ケレン清掃 : シール材に不純物が混じらないように清掃を行う
ケレン清掃 : シール材に不純物が混じらないように清掃を行う
台座シール取付け : シリンダー取付け用の台座を取り付け、注入樹脂の漏れ防止の為にシールを行う
台座シール取付け : シリンダー取付け用の台座を取り付け、注入樹脂の漏れ防止の為にシールを行う
エポキシ樹脂注入 : 低圧注入用のシリンダーを台座に取り付ける
エポキシ樹脂注入 : 低圧注入用のシリンダーを台座に取り付ける
エポキシ樹脂注入 : エポキシ樹脂をシリンダーに充填し、ゴムヒモの力ゆっくり注入する(低圧注入)
エポキシ樹脂注入 : エポキシ樹脂をシリンダーに充填し、ゴムヒモの力ゆっくり注入する(低圧注入)
エポキシ樹脂注入完了 : 台座とシールを撤去してシリンダーを取り外しま
エポキシ樹脂注入完了 : 台座とシールを撤去してシリンダーを取り外しま

■Uカットシール充填工法 (クラック幅 1.0mm以上)

 

躯体に生じたひび割れには、大きく分けて、 コンクリート自体の収縮により生じたものと、 建物の構造上の理由から生じたものとがあります。 前者の場合、挙動(割れが広がったり縮 まったりしようとする動き)の無いものが多く、割れ内部に セメント材等を充填して修復を 行います。

それに対して後者の場合、挙動があり、今後も割れが大き くなる可能性があるため、 Uカットシーリング工法を多く用います。この工法では、割れ部分に溝を 作ってシーリング材 を充填することで、割れが広がろうとする動きにシーリング材がついていきます。

 

施工前 : クラックを確認してマーキングを行う
施工前 : クラックを確認してマーキングを行う
Uカット : ダイアモンドカッターを用いてUの字型に幅10.0mm前後の溝を切る
Uカット : ダイアモンドカッターを用いてUの字型に幅10.0mm前後の溝を切る
プライマー塗布 : シール材の剥離防止の為プライマーを塗布する
プライマー塗布 : シール材の剥離防止の為プライマーを塗布する
シール打ち込み : 弾性シーリング材を充填する
シール打ち込み : 弾性シーリング材を充填する
モルタル処理 : ゴムへらを使って平滑にする
モルタル処理 : ゴムへらを使って平滑にする
施工完了 : シーリング材の痩せを防止する為に表面をポリマーセメント処理して完了
施工完了 : シーリング材の痩せを防止する為に表面をポリマーセメント処理して完了

■エポキシ樹脂ピン注入工法 (床面モルタル浮き)

 

浮き部に対しその隙間にエポキシ樹脂を注入し且つアステンレス製のピンを併用して浮き面積の拡大を阻止すると共に、大面積の剥落を防止する工法で、一般的には16/㎡で指定部分では25/㎡とし、狭幅部では幅中央に200ピッチとなっています。開放廊下やバルコニーの床面は落下などの危険性は余り無い為、一般的にはピンなしの工法が主流です。

 

施工前 : 浮きを確認してマーキングを行う
施工前 : 浮きを確認してマーキングを行う
穿孔 : 6.0mmのピン径にドリルで穿孔する。せん孔は躯体コンクリート中に30mm以上行う
穿孔 : 6.0mmのピン径にドリルで穿孔する。せん孔は躯体コンクリート中に30mm以上行う
清掃 : 孔内の切粉をブラシや圧縮空気等で除去する
清掃 : 孔内の切粉をブラシや圧縮空気等で除去する
エポキシ樹脂注入 : 注入ポンプを用いてエポキシ樹脂を注入する(高圧注入)
エポキシ樹脂注入 : 注入ポンプを用いてエポキシ樹脂を注入する(高圧注入)
ステンレス全ネジピン挿入 : 補強の為ステンレス製の全ネジピンを挿入する
ステンレス全ネジピン挿入 : 補強の為ステンレス製の全ネジピンを挿入する
施工完了 : あふれたエポキシ樹脂をふき取り、穴埋めをして完了
施工完了 : あふれたエポキシ樹脂をふき取り、穴埋めをして完了

■モルタル充填工法  (鉄筋爆裂叉は欠損)

 

コンクリートは元来アルカリ性ですが、風雨にさらされ年月を経た結果、次第に表面から中性に 変わってゆきます。そうするとコンクリートは強度を失い、脆くなるとともに、 内部の鉄筋も 腐食しやすくなります。 内部で腐食した鉄筋が膨張し、周辺のコンクリートを押し上げ た状態 を鉄筋爆裂と呼びます。

コンクリートが押し出されてひび割れ、そこからさらに雨水が侵入して、 鉄筋の腐食がさらに進行するという形になり、放置すればするほど、劣化が進行します。こうし た箇所の補修は、まず脆弱化したコンクリート・鉄筋の錆を除去し、鉄筋に防錆材を塗付した上で、 樹脂モルタルによる埋め戻しを行います。

 

施工前 : 爆裂箇所を確認してマーキングを行う
施工前 : 爆裂箇所を確認してマーキングを行う
斫り : コンクリートを削って腐食した鉄筋を露出させます
斫り : コンクリートを削って腐食した鉄筋を露出させます
ケレン&清掃 : 危弱部をはつり取った後、ほこり等を除去し、清掃で強固なコンクリート下地を出す
ケレン&清掃 : 危弱部をはつり取った後、ほこり等を除去し、清掃で強固なコンクリート下地を出す
防錆ペースト塗布 : 鉄筋の錆止め処理を行った後プライマーを塗布する
防錆ペースト塗布 : 鉄筋の錆止め処理を行った後プライマーを塗布する
ポリマーセメント充填 : 補修部の状況に合わせ、数層に分けてポリマーセメントモルタルを充填または塗り付ける
ポリマーセメント充填 : 補修部の状況に合わせ、数層に分けてポリマーセメントモルタルを充填または塗り付ける
施工完了 : ポリマーセメントモルタルの仕上がり状態、硬化状態および後片付けを確認する
施工完了 : ポリマーセメントモルタルの仕上がり状態、硬化状態および後片付けを確認する